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EUROL SPORTS BIKE 5W-40の実力をサーキットで検証する

ezumo
7月6日
読了時間: 7分

更新日:9月20日



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街乗り向けオイルは、ST600レーサーでも通用するのか


体感とデータロガーで検証した、Eurol Sportbike 5W-40のサーキット性能


Eurol Sportbike 5W-40は、主に一般公道を走行するモーターサイクルを対象として設計されたエンジンオイルです。

では、エンジンを高回転域まで使い続けるレーシングマシンに使用した場合、どこまで性能を発揮できるのでしょうか。

今回、筑波選手権ST600クラスに参戦する福地直樹選手のYamaha YZF-R6にEurol Sportbike 5W-40を使用し、複数回のサーキット走行を実施しました。

評価したのは、ライダーが感じる吹け上がり、トルク感、シフトフィールだけではありません。データロガーに記録された最高速や加速性能も確認し、従来使用していた海外メーカー純正指定ブランドオイル 10W-40と比較しました。


ちなみに福地選手は1000ccのYAMAHA R1で, もてぎ選手権にも参戦していますが、今回のテストではより高回転を常用し、出力が小さく違いを体感し易い600ccでと本人の希望でR6にて検証しています。


テスト車両と使用条件


使用車両: Yamaha YZF-R6 ST600レーサー

ライダー: 福地直樹 選手

参戦クラス: 筑波選手権 ST600クラス

従来使用オイル: 海外メーカー純正指定ブランド 10W-40

テストオイル: Eurol Sportbike 5W-40


最初の比較走行は筑波サーキットで実施しました。

それまでのオイルを使用した走行は6月末で、気温は約28℃。Eurol Sportbike 5W-40を使用した走行は7月上旬で、気温は約31℃でした。

Eurol使用時の方が約3℃高く、エンジンやオイルにはやや厳しい条件でしたが、比較試験としては大きく離れていない環境で走行できました。



エンジン始動直後のピックアップは明確に向上


Eurol Sportbike 5W-40に交換したことで、最も分かりやすく感じられた変化の一つが、エンジン始動直後のピックアップです。

エンジンが完全に暖まる前の状態では、従来の 10W-40使用時と比較して、スロットル操作に対する反応が明確に良くなりました。

従来使用していたオイルは10W-40、今回使用したEurolは5W-40です。そのため、始動直後のように油温が低い状態では、5W-40の低温時における流動性が影響した可能性があります。



性能比較は体感だけでなくデータロガーでも実施


エンジンオイルの評価では、吹け上がりが軽い、トルク感がある、シフトフィールが良いといったライダーの感覚が重要です。

一方、体感評価は走行状況やライダーの感覚によって左右される可能性があります。

そのため今回は、ライダーのコメントだけで判断するのではなく、車両に搭載されたデータロガーの記録も使用しました。

ラップタイムに加え、ストレートでの最高速や加速性能を比較し、Eurolへの変更や走行時間の増加によって、エンジン性能が低下していないかを確認しています。

今回の性能評価は、ライダーの体感とデータロガーによる客観的な走行記録の両面に基づくものです。



最初の筑波テストでは、両オイルとも59秒台


筑波サーキットでのラップタイムは、従来 10W-40、Eurol Sportbike 5W-40のどちらを使用した場合も59秒台でした。

エンジンが十分に暖まった走行中の評価では、吹け上がり、トルク感、高温時のパワーの落ち込み、いわゆる「タレ感」について、明確に判別できるほどの違いは確認されませんでした。

データロガー上でも、Eurolへの変更後に最高速や加速性能が低下したことを示す明確な変化は確認されませんでした。




山梨スポーツランドで確認されたギア抜けの変化


最初の筑波テストの翌週には、同じ車両で山梨スポーツランドを走行しました。

このコースには、従来からギア抜けが発生しやすい箇所がありました。しかし、Eurol Sportbike 5W-40を使用した走行では、それまで発生していたギア抜けが確認されませんでした。

ライダーからも、シフトフィールが改善している可能性が高いという評価が得られました。


今回の結果はシフトフィール改善の可能性を示すものですが、Eurolだけが原因でギア抜けが解消されたと断定するものではありません。



さらに気温が上昇した筑波でも継続検証


山梨スポーツランドでの走行後も、同じオイルを使用してテストを継続しました。

その後、最初のテスト時よりもさらに気温が上昇した筑波サーキットでも走行しています。

この走行でも、ライダーは吹け上がり、トルク感、エンジンのタレ感などに明確な性能低下を感じませんでした。

さらにデータロガーを確認した結果、ストレートでの最高速や加速性能にも、オイルの使用時間増加に伴う明確な低下は確認されませんでした。

つまり、ライダーが性能低下を感じなかっただけではなく、車両の走行データ上でも、通常の交換サイクル内における性能劣化は確認されなかったということです。



約3時間で交換する純レーサー特有の使用環境


今回使用したYZF-R6は、公道を走行しない純レーシングマシンです。

エンジンオイルは走行距離ではなく使用時間で管理され、通常は約3時間という非常に短いサイクルで交換しています。


本来であれば、交換サイクルを延長し、何時間まで性能を維持できるのかを検証する方法も考えられます。

しかし、検証のために通常より長くオイルを使用することは、エンジンやミッションのトラブルにつながり、レース活動そのものに影響を与える可能性があります。

そのため今回は、通常の約3時間という交換サイクルを超えた耐久性テストは行わないことにしました。

また、燃費やオイル消費量については計測していないため、今回の結果から評価することはできません。



今回検証したのは、耐久限界ではなくピーク性能


今回のテストの目的は、Eurol Sportbike 5W-40の交換サイクルをどこまで延ばせるかを確認することではありません。

主に街乗りを対象として設計されたオイルが、ST600レーサーによる高回転・高負荷のサーキット走行において、どこまで性能を発揮できるのかを確認することでした。

言い換えれば、今回検証したのは長期的な耐久限界ではなく、厳しい条件下におけるピーク性能と、通常の交換サイクル内での性能維持です。

検証の結果、従来使用していた 10W-40と比較して、以下の項目に目立った性能差は確認されませんでした。


  • ラップタイム

  • 最高速

  • 加速性能

  • 暖機後のエンジンの吹け上がり

  • トルク感

  • 高温時のタレ感

  • 通常の交換サイクル内における性能変化


ラップタイム、最高速、加速性能については、ライダーの体感だけでなくデータロガーでも確認しています。

Eurolへの変更後や使用時間の増加後にも、明確な性能低下を示すデータは確認されませんでした。

一方で、Eurolへの変更後に明確な変化が確認された項目もあります。

  • エンジン始動直後のピックアップが明確に向上した

  • 山梨スポーツランドで、それまで発生していたギア抜けが発生しなかった

  • ライダーがシフトフィールの改善を感じた



結論


今回のテストでは、Eurol Sportbike 5W-40の耐久限界や、長期間使用した場合の交換サイクルまでは検証していません。

そのため、この結果だけをもとに、サーキット走行での交換時期延長を推奨することはできません。

一方、通常の交換サイクル内におけるピーク性能については、従来使用していた 10W-40と比較しても目立った差は確認されませんでした。

これはライダーの主観的な感想だけではなく、ラップタイム、最高速、加速性能などを記録したデータロガーの結果も含めた評価です。


さらに、エンジン始動直後のピックアップについては明確な向上が確認され、従来ギア抜けが発生していた箇所でもギア抜けが発生しないという変化がありました。

「街乗りをターゲットとしたエンジンオイルが、レーシングマシンの高回転・高負荷走行でどこまで使用できるのか」

この問いに対しては、少なくとも今回の条件と通常の交換サイクル内では、ST600レーサーでも問題なく使用できるピーク性能を備えていたと評価できます。

今回設定した検証目的は、ライダーの体感とデータロガーによる客観的な記録の両面から達成できたと考えています。

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